江戸時代、名門の出身ではなかった田沼意次(たぬまおきつぐ)が、屋敷に稲荷神を祀って、幕府の要職、老中にまで大出世したという評判にあやかり、江戸の庶民も我も我もと小祠を建て、稲荷神を祀ったといわれています。「伊勢家稲荷に犬のくそ(街中でよく見かけるもの)」という戯言(ざれごと)が生まれるほど、流行したようです。
昔は講(こう)によって神事が執り行われていましたが、後継者不足によりお社(やしろ)が廃祀されたり、町内会の主催になったりと、形を変えながらも大津の古い伝統を護り伝えています。神事の後は、お楽しみの直会(なおらい)です。お供えの油揚げを焼いて、お神酒で一杯。。。「忙中閑(ぼうちゅうかん)あり」ホッとするひとときです。