2022年06月12日

想いを乗せて、重い責任を担う

 先般お知らせの通り、諏訪大社より払い下げをいただいた「秋宮四」の御柱は、防腐処理・調整を済ませ5月30日に当神社へ搬入されました。10メートルほどの柱ゆえトレーラーにての搬入でしたが、駐車場の入り口が狭いため、その打ち合わせでも車でそのまま搬入できるのか、役員のほとんどが疑問を抱いておりましたが、さすがプロドライバー、拍子抜けするくらいすんなりと搬入がなされました。
 後日、建御柱を開催するための資料を探していた折、あるDVDをみつけました。そのタイトルは「秋宮四の御柱 華乗りに密着」とあります。こんなDVDは見たことないし、氏子さんからも奉納をいただいた覚えがありません。不思議に思い内容を確認すると、6年前のワイドショーのなかで、御本社・御柱祭の紹介と、映画監督の井筒和幸氏が秋宮四の御柱の華乗り(曳行の責任者で木落としの先頭に乗る人)に密着し、華乗りを支える人々、家族に密着取材をする内容でした。20分ほどの内容でしたが、危険な木落としに臨む華乗りの緊張感や諏訪に生まれた男の祭りに対する心意気・矜持(きょうじ)、また何よりも無事に帰ってきてほしいという家族の想いが語られていました。そしてこの華乗りさんはさらにその前の回(12年前)の御柱祭の木落としで、副責任者として参加し、曳綱に絡まり木落とし坂を頭から転がり落ち、救急搬送され大怪我を負った苦い経験がありました。今回はきれいに坂を滑り降り、大役を果たし、無事家族のもとに生還しました。
 このDVDは後から判明したことですが、神社のお手伝いのスタッフがテレビを見ていて御柱が映っていたので、録画して宮司に渡してくれたものでした。渡したスタッフも記憶がなかったようですが、いただいた宮司も、秋宮四という御柱は小さめであまり注目されない柱ということで「後で見ればよいか」と思いながら正直忘れていたのです。DVDを奉納いただいたスタッフには失礼をいたし、さらには秋宮四の御柱の存在を軽く思っていた不明さに恥じ入るばかりです。秋宮四の御柱に携わる皆様が、命をかけて曳行し建てていただき、諏訪大社で6年間信仰を集めた御柱を不思議な縁(えにし)で当神社が引き継がせていただきます。
 諏訪大社の北島宮司様からも、「下社の神様は女神さまなので、嫁に出すようなものです。娘をよろしく頼みます」とのお言葉を頂戴いたしました。様々な皆様の想いを乗せ、当神社は重い責任を担い、7月3日は大津の里に、この秋宮四の御柱が建ちます。

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posted by 大津諏訪神社社務所[公式] at 14:17| Comment(0) | TrackBack(0) | 奉祝記念事業