今年で神職生活31年になりますが、神輿・山車の渡御が中止になったのは、初めてのことでした。東日本大震災の際にも、被災地に勇気と希望を届けようということで、浮かれることなく粛々と神事を執り行い、義援金を募り、メッセージを届けさせていただきました。しかし今回ばかりは自分たちも、いや、全国各地が新型コロナウィルスという見えない敵の被害者となりました。祭礼の趣旨や地区の経済を思えば、斎行したい…けれど神社の祭礼でクラスターが発生したら…何もかもが判断に迷う難しい局面でした。
祭礼は22日に宵宮祭、23日に例祭を執り行い、地区と神社の関係者の皆様とともに大津の安全と繁栄、新型コロナウィルスの早期終息を祈念いたしました。例祭が終わると、七五三参り、初詣と、例年とは違う対応を迫られますが、これらの神事を終えるたびに反省会を行い、改善を加える体制をとっています。当神社は職員がいません。総代さんや世話人さん、諏訪十神連合の会員、多くのボランティアの皆様によって運営がなされています。参拝者はもとより、関係者の安全も考慮しながら、しばらくの間見えない敵とも付き合っていかねばならないと感じています。